またまた国保が値上げ!?マイクロ法人は節税対策になるのか。

2年連続国民健康保険料の上限引き上げです。

負担は増えていく一方ですが、今回は国保の上限引き上げの話ではなく、国保の節税として語られる事の多いマイクロ法人についてです。

今後も国保の負担が増えると、マイクロ法人のスキームが過熱する事が予想されます。

マイクロ法人の簡単な概要と、私はお勧めしていない理由についてまとめてみました。

目次

マイクロ法人で国保を節税?

マイクロ法人とはその名の通り、小規模な法人です。

2つ以上収入の柱がある個人事業主の売上をマイクロ法人に移す(もしくは新しく別の事業を始める)事で所得税、住民税、消費税、国民健康保険料の負担が抑えられるというスキームです。

概要としては事業を個人事業と法人に分ける事で個人事業主の収入1本の状態だったのが、個人事業主の収入&マイクロ法人からの役員報酬で収入が2本となります。

所得税、住民税に関して:法人からの役員報酬は給与所得となり税金計算上一定金額を控除して計算するので、まるまる個人事業の所得として計算するよりは少なくなります。

消費税に関して:設立後一定要件で2年間は免税となるので個人事業主が消費税の課税事業者であった場合、法人の売上分は一時的に消費税が免税となります。

ですが、今後はインボイスが絡むので一概にそうとも言えないでしょう。

国民健康保険料に関して:法人の方で社会保険に加入する事で、社会保険料の計算は個人事業主の分は度外視して法人からの役員報酬額で計算されます。
別で個人事業主の方で国保への加入が必要となる事もなく、マイクロ法人の役員報酬を抑える事で結果として個人事業主全体の年収で計算した国保よりも負担が少なくなります。

と、これだけ聞けば良い事ばかりのように感じますが、デメリットもあり、そのデメリット以上にそもそもの仕組みの問題で私はお勧めしていません。

マイクロ法人のデメリット

まず会社設立には費用がかかる。法人用の銀行口座を開設する。など法人を設立する際の負担は当然つきもので、それとは別に個人事業と法人で分けるという特性上、経理の手間は増えますし、個人事業主・法人それぞれで確定申告が必要となります。

個人の方はまだしも法人の方は知識がないと申告書を作るのは難しいと思います。税理士に依頼する場合はその分コストがかかります。

それから保険料(年金)の負担額が減るという事は将来もらえる年金に影響を及ぼしますが、私個人の考えとしては年金は期待していないのでそこはまぁ…というところです。

だいぶ割愛していますが、このようにデメリットもあります。ただそれ以上に私がお勧めできないのはそもそもの仕組みです。

マイクロ法人の節税スキームへの2つの懸念点

このマイクロ法人の節税スキームは確かに制度を良く理解して考えられていますが次の2つの懸念点があると考えています。

①法人と個人事業が分かれている意味。

まず、ここの合理的な理由が無いのではないでしょうか?

業種が違えばという説もありますが、違ったとしても一方が個人で一方が法人と分けている理由を説明できるでしょうか。

②二ヶ所以上から給与をもらっている場合の計算と整合性がない。

個人事業主+役員報酬の場合は社会保険の計算では個人事業主の分が度外視されるのに比べて、二ヶ所以上から役員報酬や給料をもらっている場合は基本的には全体の収入ベースで計算します。

個人事業主の方は社保に加入出来ないからとは言え、ここは少し歪な感じがします。

別の話になりますが、最近は副業についても、300万円の金額要件から始まり、300万円以下かつ主収入の10%に満たない場合は帳簿を付けていても事業に該当しない(規模的に明らかに片手間だからNG)という実態を反映させる形で着地しています。

そう考えると、「個人事業主の方がメインの収入なのだから、当然に保険料の計算をする時に考慮すべき」となってもおかしくはないと思います。

現状では法律で明確にダメと言われていないから通ってるような状況であると言えるのではないでしょうか。

マイクロ法人を作るくらいなら

今後も国保は上がって行くでしょう。そうすると、このマイクロ法人スキームが加熱する→国側がその対策をする。というイタチごっこでそのうち使えなくなる仕組みなんじゃないかなぁと私は考えています。

特に消費税などはこのような抜け穴を通るスキームが流行っては改正で塞がれて…の繰り返しです。

そもそもこのようにデメリットや懸念点があるマイクロ法人を作って…とやるのであればそのリソースを事業拡大に割いて、完全に法人化を目指す形の方がよほど健全で迷いのない道だと思うのでそちらをお勧めします。

税理士法人は現状一人では設立できないので、私が税理士業と並行して別の事業をする場合は個人+法人となる合理的な理由になると思いますが、その場合別の事業をする目的は収入の柱を増やしたいという目的だと思うのでマイクロ法人の規模に抑えるつもりはありません。

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