会社の安全性を分析する指標として「自己資本比率」があります。
安全性とは言い換えると、企業の倒産リスクです。
詳しくは後ほど解説しますが自己資本比率とは、会社の資本(総資本)のうち、自己資本が占める割合を指し、自己資本比率が高い方が安全性も高いと判断されます。
この自己資本比率は決算書からすぐに分かりますが、計算する前にまずそもそも自己資本比率とは?という点から始めたいと思います。
安全性の指標となる自己資本比率
自己資本比率とは簡単に言うと企業が調達した資金全体の中で、自社のお金が占める割合を表す指標です。
企業が活動を行っていくなかで、手形・掛け取引・銀行からの借り入れ・自己出資・これまでの利益の積立など様々な方法で元手を調達しています。
今挙げたもののうち、手形・掛け取引・銀行からの借り入れはいずれ支払いもしくは返済しなければいけない、言わば他人のお金(他人資本)です。
一方で自己出資、これまでの利益の積立は自分のものとして人に支払いもしくは返済する必要の無い自社のお金(自己資本)です。
このように様々な方法で調達された資本全体(総資本)のうち自社のお金(自己資本)がどのくらい占めているのかという事が分かる指標となります。
自己資本比率の計算して安全性を分析する。
自己資本比率を求める計算式は【自己資本÷総資本】です。
![](https://www.zeirishi-g.com/wp-content/uploads/2022/09/BS.png)
この例の数字を当てはめると400÷1,000=0.4→40%です。
つまり、全体のうち自分のお金が占める割合が40%という事です。
なお、自己資本比率は高いほど企業としての安全性が高いと判断されます。
自己資本比率が低いほど、他人資本が多い事になり借金で成り立っている状態という事になりかねません。
自己資本比率が高いというのは全体の構成のうち、返す必要の無いお金が占める割合が高いという事になりますので、それだけ何かあった時に耐える体力があり、企業としての安全性は高いと評価されます。
どのくらい高ければ良いのかと気になる方もいらっしゃると思いますが、業種や状況にもよりますし、あくまで指標であるため一概に何%以上あればOK!という事はありません。
ですが、まずは30%を目指しましょう。最低ラインとして30%という意識をもっていただいて良いのではないかと私は考えています。
これまで自己資本比率を知らなかった。気にしたことがなかったという方は貸借対照表から求められますので、是非自社の自己資本比率を把握されることをおススメします。
自己資本比率はあくまで指標
自己資本比率はあくまで安全性を分析するための一つの指標です。数字だけを見て、低いから経営成績が悪いと断言はできません。
銀行から資金調達を行い、拡大・成長しているさなかでは低くなるケースが多いでしょう。あくまで一つの指標として過信しすぎずに、目安として活かしていただけたらと思います。
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